税理士の経営・財産・相続トピックスVol.025「診療所開業の必要資金」
直近のデータで、クリニック(無床)の新規開設は全国で5,372件、廃業は4,579件だそうです。
ご参考に、10年前は開設4,258件、廃業2,682件でした。開業事情・廃業事情も変化してきていますね。
クリニックをオープンされるときには、こうなったらいいなというイメージがあります。
1年後には月100万手取りがあるといいな、2年後には月200万の手取りになったらいいな、というように、成功のイメージを描きながらご開業されるかと思います。
月200万の手取りのためには収入月500万は必要かな…と目標を持ってご家族で頑張っておられます。
オープンして2年経過して順調に軌道に乗り、イメージしておられた手取りも問題なく確保され、安定運営に入っていく…と、いうのが理想の展開となります。
しかし、家庭の環境が大きく変化することがあります。
開業当時は、子供も小学生、ご両親も元気で、生活に必要な手取り収入は200万で十分でした。
ところが、開業されて5年、10年経つと子供が高校・大学へ、ご両親も介護が必要になり、生活に必要な手取りも200万では不足するようになる…かもしれません。
5年、10年のうちに診療や運営のスタイルが完成化すると、逆に収入増加が困難になることもあります。
そうなると、残された方法は、支出を削るしかありません。
開業当時の必要な生活資金と、5年後、10年後の生活に必要な資金は、変化します。また、20年後には減少するでしょう。
開業時、10年後、20年後…のご家族のライフスタイルと、生活に必要な資金をイメージされて、事業の頂点のイメージを描く必要があるのだと思います。
(2015年10月1日 税理士法人日本経営 代表社員税理士 丹羽修二)
本稿は一般的な内容を分かりやすく解説したものです。実際の税務・経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、税理士など専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。
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